賃貸物件を借り事務所や店舗にするとき、多くの場合は内装工事が必要です。
工事は大きく分けて3種類。
建築業界の専門用語で「A工事」「B工事」「C工事」と呼ばれます。
今回は、それらの特徴や違い、注意点を解説します。
賃貸物件の「内装工事ABC」とは
「A工事」は、貸主の費用負担のもと、貸主が指定した施工業者がおこないます。
具体的には、物件の原状回復や水道などインフラ設備の修理などです。
「B工事」は、借主の要望・費用負担のもと、貸主が指定した施工業者でおこないます。
具体的には、防災関連や空調（エアコン）設備の工事などです。
「C工事」は、借主の費用負担のもと、借主が指定した施工業者がおこないます。
具体的には什器の設置や壁の変更など、デザイン的な工事です。
賃貸物件「内装工事ABC」それぞれの違いと注意点
A工事の特徴・内容
A工事は、貸主がおこなう、建物本体に関する工事です。
エレベーターや通路といった共用部分の補習などがこれにあたり、所有権と施工業者の選択権は貸主にあります。
B工事の特徴・内容
B工事は、借主都合でおこなう、建物の付帯設備などを変更する工事です。
空調設備、防災の警報機、厨房の通風管などがこれにあたります。
借主の要望で貸主が行ないますが、費用負担は借主となる点にご注意ください。
C工事の特徴・内容
C工事は、借主がおこなう内装や区分の設備に関する工事です。
店舗・事務所のインテリアデザインやLAN工事・電気配線工事などがこれにあたり、設計・施工業者の選択権、費用負担は借主となります。
賃貸物件の内装工事ABC、「B工事」の注意点とは
「内装工事ABC」の中で、もっとも注意すべきは「B工事」です。
一見、借主の専有部分にある設備に見える「C工事」であっても、建物そのものに影響があるとされると「B工事」とされがちです。
「B工事」の費用は借主負担、所有権と施工業者の選択権は貸主となります。
一般的に、貸主が発注した工事内容や見積もりを、借主が変更することはできません。
想定した予算額よりも工事費が高額なことも多々あるため、トラブルの原因にもなりえます。
B工事となった場合は下記のような対策を講じましょう。
●貸主に「費用を安くしたい」と相談する
●借主側でも別の業者に見積もりを依頼し、それを根拠に貸主と交渉する
まとめ
「内装工事ABC」は、賃貸物件を借りるときに押さえておきたい建築業界の専門用語です。
「A工事」「B工事」「C工事」それぞれの特徴と内容を理解しましょう。
「B工事」は借主サイドでも施工業者に見積もりを取るなどし、過度に高額な費用を払わないようご注意ください。
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